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プリトヨト万城目
2010年1月10日日曜日,19:46




――デビュー作の『鴨川ホルモー』は京都、2作目の『鹿男あをによし』は奈良。そして、『プリンセス・トヨトミ』は大阪。3作とも関西が舞台ですね。

◆漠然と三都物語みたいにしたら面白いかな

 デビュー作は学生時代からよく知っている土地ということで、題材に合わせて書いたんです。まあ、漠然とではあったんですが、それで次は奈良で、その次が大阪を舞台にして、三都物語みたいにしたら面白いなと、3年かけて書きました。もっとも今の住まいは東京なので、これまでの3冊はすべて東京で書いたものです。大阪に戻って書きたいという気持ちはあるんですが、そうするとなんとなく小説が面白くなくなってくるような気がするんです。本当は大阪に帰りたいんですよ。あんまり東京という街には馴染まないので(笑)。

 でも、東京は常に何かやっていなければ後ろめたいというような空気がある。人を無用に急かす何かがあります。小説は刺激のあるなかで、ストレスを感じながら書くほうがいいものができる気がします。たとえば、沖縄で、すごい海がきれいな岬の家で青い空と青い海に囲まれて原稿書いたら、いいもの書けるかといったら、ぼくの場合は腑抜けのような小説になると思うんですね。

ぼくが今、大阪に戻って心地いい状態のなかで書くと、多分、小説の質は落ちるような気がします。居心地のいい空気に馴染みすぎて、別にこんな頑張らなくてもいいやと。おそらく、だらだらしてしまうでしょう。


――「プリンセス・トヨトミ」は「別冊文藝春秋」(08年1月号~09年1月号)に連載されたものを単行本にしたものですね。5月末日の木曜日、大阪で病院などを除いた商業、交通機関が停止した。実はその10日前、会計検査院の調査官3人が実地検査のため大阪を訪れる。そこで、大阪には「大阪国」というもうひとつの国が存在していたことを知る――あまりにも奇想天外なので、いったいどう展開していくか先が読めませんでした。ストーリーに行き詰まることはなかったのですか。

◆苦しみながら書いた1年間

 ストーリーは最後まで作ってから書きはじめたので、多少、肉付けはしましたが、おおまかな展開は最初から考えていたとおりです。だから、書いていてつまずきはなかったですね。ただ、ぼくは文章を書くのが遅いので、常に苦しみながら書きました。スムーズに書けたところがほとんどなかったです。

こういうことを書こうとか、こういうふうな感じで終わらせようというイメージは持つのですが、なかなか自分のなかでこれという形に行き着かない。

原稿枚数は1日に400字の原稿用紙で平均5枚いくか、いかないかのペースでしたね。これを書いていた1年間は昼夜、ほぼ逆転で夕方ぐらいに起きて夜の10時から朝まで書くっていう感じでした。眠くなるまで書いていたので、寝る時間がだんだん後に延びていって。ひどかったです。


――『プリンセス・トヨトミ』には登場人物が盛りだくさんですね。会計検査院第六局副長の松平元、部下の鳥居、内閣法制局に出向経験もあるハーバード大学出身の才媛、旭・ゲーンズブール。大阪市立空堀中学2年の真田大輔と橋場茶子。大輔はセーラー服で登校し、茶子は男まさりの活発な少女。大輔の父親・幸一は「空堀商店街」のお好み焼き屋「太閤」の店主。読み手の受け取り方によっても異なるのでしょうが、キーマンは誰なのでしょう。

◆「松平」「旭・ゲーンズブール」のやりとりで、秘密の仕組みが明らかに

 会計検査院パートでは会計検査院の松平、空堀中学校パートでは大輔を軸として書きました。会計検査院のパートで特に気を配ったのは松平と旭・ゲーンズブールとのやりとりですね。このふたりの話を通じ、小説の核になる秘密の仕組みが読者に知れてくる。会計検査院パートが繊細さが求められる分、空堀中学校パートは躍動感あるように書こうと努めました。


◆コテコテのイメージにはしたくなかった

 大阪が舞台だからといって、阪神タイガースとか、お笑いとか、そういうコテコテなイメージにしたくなかった。意識的にコテコテは避けようと心掛けました。大輔の父親・幸一のひいきチームは広島東洋カープです。細かいことなんですけどね。登場するおばちゃんたちもあんまりどぎつくないです。「これ、高いわ。まけてや」という値引交渉よりも、人情的な部分でアピールしているでしょうか。それと、商店街の位置づけ。

大阪で庶民的なところとなると、観光イメージでは「通天閣」になってしまう。最初は「通天閣」の下にある商店街を舞台にしてもいいのかなと思ったんですが、ちょっと手垢がつきすぎているので、あえて、「空堀商店街」にしたんです。それはそれで、知られてなさすぎるのではという心配はありましたけど。

 実際、「空堀商店街」は大阪の人でも知らない人が多いと思う。聞いたことはあるが、どこにあるか知らないというような。でも、そのぐらいの存在の商店街にしたかったんです。後は、商店街に住む中学生の描き方です。大阪というと、下町の小学生だとどうしても「じゃりんこチエ」の世界になってしまう。

「じゃりんこチエ」の雰囲気を出さずに、大阪の子供を書けているのかという恐れは常にありました。大阪に興味ない人がこれを読んで、大阪っぽいということを感じるのかなと。


――これからはどういう小説を書いていくのですか。“マキメカラー”を踏襲していくか、それとも、新境地を開拓していくのですか。


◆元々は歴史小説家志望

 そのことは、最近よく考えるんですが、賢く、少しずつ色を変えていこうかと思っているんです。いきなり、変えるのは得策とは思わないので、読んでいる人が気づかないうちに変わるようにしていけたらいいなと。でも、どんな話を書いても、文章のリズム、雰囲気はあまり変わらないと思う。元々は歴史小説を書いてみたいと思って小説を書き始めたので、いつか挑戦したいとは思っています。中島敦のようなしっかりした感じのものを書きたいですね。



万城目学(まきめ・まなぶ)1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒業。06年第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。2作目の『鹿男あをによし』で第137回直木賞候補となり、08年にテレビ化され話題を呼ぶ。『プリンセス・トヨトミ』で第141回直木賞候補に。ほかに『ホルモー六景』、エッセイ集『ザ・万歩計』がある。「今、小学1年生の女の子と猫の話を書いています。出版されるのは早くて秋の終わり頃になると思う」(ちくまプリマー新書から刊行予定)



 「そのときのベストセラーだったり、人が面白いよと言っている本はなるべく読むようにしています」。最近、読んだのは『天使と悪魔』。他の作家との横の繋がりは特になく、普段のコミュニュケーションの相手はおもに編集者と学生時代の友人たち。「みんな会社に勤めているので、会社帰りに待ち合わせて飲みに行くこともあります。友人たちはスーツだったり、開襟シャツだったりしますが、ぼくはTシャツ(笑)。お酒はそんなに飲みません」

ダイアリー
2009年12月13日日曜日,19:52




手帳の好み逆転
女は大型 自由に書き込み
男は小型 パソコンの補助




 人気の手帳の大きさが男女で逆転している。女性では書き込む余白が十分ある大きめ派が増加。半面、男性は主にパソコンや携帯電話でスケジュール管理をする人の拡大で、補助用に薄型・小型の手帳が売れている。女性は1年に何冊か買い替える人も多く、横ばい気味の市場の主役になりつつある。


 今月初旬、雑貨店のロフト池袋店(東京・豊島)を訪れた専門学校生の女性(18)は右面すべてがノートのように罫線が引かれ、自由に書き込めるコーテッドの「B6 見開き1週間 レフト式」(1785円)を選んだ。欲しい物のリストを書き留めたり、友人との写真を張ったりして「授業の合間や電車で眺めて楽しむ」という。

 カジュアル手帳と呼ばれるこうしたノート型手帳は「手帳をスケジュール管理だけでなく『思い出帳』として使う若い女性に人気」(ロフト)で、ロフトの販売数はシステム手帳の2倍強だ。もともと女性にはバッグに入れて持ち運びやすい小型の手帳が人気だったが大型化が進む。

 一方、男性の事情はまったく逆だ。人気が高いのは縦型の名刺入れを一回り大きくした程度の小型手帳、ハイタイドの「エクリチュール」(504円)。見開き1ヶ月のスケジュール表やメモページなどをそなえ、縦めくりで使う。女性の利用を想定していたが「30代前後の男性が買い求め」、黒はすでに完売した。

 伊東屋銀座本店(同・中央)で都内勤務の男性会社員(39)が手にした手帳はは厚さわずか3.5ミリ。蛇腹式に折りたたむスケジュール表に15ヶ月分の簡単な予定が書き込める独リドの「ミニプランナー」だ。この男性は「予定はパソコンで管理している。出先や移動中くらいしか手帳は使わない」と話す。

 小型パソコンや高機能携帯電話の普及で、スケジュール管理はデジタル機器へのシフトが進んでいる。特に男性でこうした動きが見られ、男性の購入シェアが高かった大判のシステム手帳や黒革などのしっかりしたビジネス手帳の販売数は「減少傾向にある」(日本能率協会)。

 日本の手帳市場は約1億冊。生活の節目や気分転換などを理由に「年2、3回手帳を買い替える女性が増えている」(雑貨店)こともあり、伸び悩む男性需要を女性が補っているようだ。


予定の管理
男女で差



 日本能率協会マネジメントセンター(東京・港)のスケジュール管理に何を主に使っているかの調査で、男性は3人に1人が「パソコンや携帯に搭載したスケジュール機能」(32.3%)を挙げた。ノート型手帳(22.6%)やシステム手帳(13.9%)を上回る。

 これに対し女性は「ノート型手帳」が38%で最も多く、「パソコンや携帯」派は5分の1(20.6%)にとどまる。「女性は手帳に書きためること自体を楽しみ、男性は利便性を求める傾向が強い」(能率協会)と分析する。

(日本経済新聞2009年(平成21年)12月8日火曜日より)


「ほぼ日手帳」などはやはり女性ファンの割合が多いらしく、書き込むスペースが多いというコンセプトを持っている手帳です。

A6版(文庫版)サイズの通常版と、カズンと呼ばれる大版の物があります。

ほぼ日手帳は、コピーライターの糸井重里さんがプロデュースした手帳で、一日一ページをモットーにしています。

ページの下には、俗に「お言葉」と呼ばれる糸井重里さんをはじめ様々な人物の名言が書かれています。


ほぼ日手帳ファンにとっては「お言葉」はなくてはならないもののようですが、純粋に文房具としてほぼ日手帳を使っている人の中には「お言葉」が邪魔だ、という意見も少なくありません。

ただ、ファンのコミュニティーで「お言葉」不要論を唱えると袋だたきに遭いますので注意しましょう。


大版のカズンには「お言葉」がないそうです。


他にも、モレスキン、クオバディス、MUCU、能率手帳などなど選択肢はたくさんです。

綴じ手帳だけでもたくさんなのに、ここにシステム手帳を加えたら、さらにリフィル(システム手帳の替え紙)の自作まで加えたら、それこそ自分に一番合う手帳を見つけることは至難の業かもしれません。

手帳ジプシーと、自らを呼ぶ人がいます。

単なる手帳が趣味なだけでは?

という気もしなくはありませんが、それには多すぎる選択肢が影響を与えているのかもしれません。

ミッドウェイ・オーサカ
2009年11月23日月曜日,1:32

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12月初旬から2010年1月末までの約2ヶ月にわたって、大阪・御堂筋界隈で複合的なアートフェスティバル『ミッドウェイ・オーサカ』が開催される。

本イベントは、演劇祭をはじめ、ストリート音楽にクラシックコンサート、近代建築と光の芸術、現代美術、伝統芸能の催しなど、様々なイベントにが体験できるというもの。御堂筋イルミネーションで賑わう通りが期間限定でエンターテインメント・ストリートに生まれ変わる。

主な催しのひとつとなる総勢30組以上の劇団やダンスカンパニーなどが出演する演劇フェスティバル『オパフェ!~オーサカパフォーマンスフェスティバル~』では、お笑いからコンテンポラリーダンス、伝統芸能に会話劇など15分の作品(ショートプレイ)などが次々と上演される。また、大阪府所蔵の20世紀美術コレクション40点を、御堂筋沿い約15カ所のビルのホール、ロビー、壁面などに展示する『御堂筋アート・ウィンドー』も、注目のイベントだ。

そして、大阪のレトロな近代建築である大阪倶楽部と芝川ビルでは、アートコレクションを展示する『近代建築&アートコレクション』が開催。また、野外での演奏会『ミュージックラバーズストリート 街角ステージ』など、盛りだくさんのイベントが予定されている。

冬の大阪の街に溶け込んだ、新しい形のアートイベント。その場所に行けば何かしら楽しい催しが待ち受けていることだろう。ぜひ気軽な姿勢で、ふらりと立ち寄ってみたい。



『ミッドウェイ・オーサカ』

2009年12月初旬~2010年1月末までの約2ヶ月

『オパフェ!~オーサカパフォーマンスフェスティバル~』

2009年1月9日(土)、10日(日)、15日(金)、16日(土)
会場:御堂会館

『ミュージックラバーズストリート 街角ステージ』

2009年1月9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)、23日(土)、24日(日)・29日(金)、30日(土)、31日(日)17:00~20:00
会場:淀屋橋から中央大通までの街角ステージ4箇所

『御堂筋アート・ウィンドー』

2009年12月12日(土)~2010年3月22日(月・祝)

『近代建築&アートコレクション』

2009年12月22日(火)~2010年1月9日(土)
会場:大阪倶楽部(2階談話室)

2010年1月6日(水)~1月16日(土)
会場:芝川ビル4階(展示室)

詳細は、ウェブに12月初旬アップ予定

http://www.midwayosaka.com/

MONO BOX アンコール・プレス!
2009年11月7日土曜日,5:15





ザ・ビートルズのリマスター作品の中でも発売直後から一番人気となり、いきなり入手困難となってしまった完全初回生産限定盤の『ザ・ビートルズMONO BOX』が、アンコール・プレスされ12月16日に発売されることになったのだ。

『ザ・ビートルズMONO BOX』は、オリジナル盤モノラル・ミックス・アルバム10タイトルに、シングル、EP曲等オリジナル・アルバム未収録曲を集めた新編成盤モノ・マスターズをセットにしたもの。完全初回生産限定盤ということもあり発売直後からファンが殺到し、たちまち入手困難、追加生産を望む声が多数寄せられていた。今回は、そんなファンのリクエストに応え、一度限りのアンコール・プレスの実施となる。今回アンコール・プレスされる『ザ・ビートルズMONO BOX』は商品の帯の色が白から黒にリニューアルされ違いは明確になる。ちょっとした話題となりそうだ。


デジタル・リマスターCDの日本国内の累計出荷枚数が、アルバム換算で間もなく250万枚にも到達するザ・ビートルズだが、2009年9月9日の発売以降の世界アルバム売上ランキングが発表された。

最も売れているザ・ビートルズ・アルバムは全世界、日本国内共に『アビイ・ロード』。世界2位は『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』であるという。これは11月6日現在でのデータだが、日本は5位となっている。

また、デジタル・リマスター作品の大ヒットを記念してのイベント<From Me To You ~ザ・ビートルズ感謝祭~>が12月17日に開催されることはお伝えしてあるとおりだが、今回その内容の一部が公開された。


イベント1部では、デジタル・リマスターCD売り上げ上位2作品『アビイ・ロード』『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を、イギリスでも高く評価されているビートルズ・カヴァー・バンド、ザ・パロッツがライヴ演奏するという。

実はこの2作品、ザ・ビートルズが1966年8月に行なったサンフランシスコのコンサートを最後に、ステージ活動を停止しスタジオに専念した結果の作品で、1969年1月のルーフトップセッションまで彼らが共にステージで演奏することはなかった。メンバーによってライヴ演奏されたことがなく、ザ・ビートルズ幻のライヴとして、ザ・パロッツのパフォーマンスを楽しめれば最高だ。

またイベント2部では、アンソロジーDVDなどから選ばれたスペシャル映像が公開されるようだ。

イベント<From Me To You ~ザ・ビートルズ感謝祭~>への参加は、EMIミュージック・ジャパンのザ・ビートルズ公式サイトにて、11月6日から募集がスタートした。応募締め切りは11月30日だ。

DVD/Blu-ray版延期
2009年11月3日火曜日,20:37




先月28日より全世界で同時公開が始まり、およそ2週間の期間限定上映となるマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のドキュメンタリー映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』だが、年内に予定していたDVDの発売が延期になったようだ。

当初の報道では、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』はクリスマス前にDVD/Blu-ray版が発売される予定だった。しかし、上映開始から最低90日間経過していなければDVD化が認められないという規制があったため、来年に発売を延期せざるをえないという。Los Angels Times誌によれば、来年1月の終わりか2月初旬の発売を予定しているが、現在でもSony Pictures側は年内のDVD発売を実現させるため交渉中だという。しかし、劇場側は異例を認めない構えのため、年内発売を実現するのは難しそうだ。


マイケル・ジャクソンがオリコン・アルバムランキングで総合1位を記録するのは、1987年10月12日付の『BAD』以来、22年1ヵ月ぶり3作目(1作目は『スリラー』)。

22年1ヵ月というインターバルをおいての総合1位獲得は、ソロ・アーティストとして歴代1位となる。これは2008年5月には、マドンナがアルバム『ハード・キャンディー』で17年11ヵ月ぶりに首位を獲得した歴代記録を塗り替えたものだ。実は、3作品で総合1位の獲得も、洋楽男性ソロ・アーティストとしてはエルヴィス・プレスリーの2作を抜いて歴代単独1位という偉業となった。


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■DISC1 1. Wanna Be Startin' Somethin'

全米5位獲得(from THRILLER)。アルバム『スリラー』のオープニング・トラックで、同作からの第4弾シングルとしてリリース。ツアーでも必ずパフォーマンスされる曲であり、その際もオープニング又は最初の方にラインナップされる。2007年、リアーナが"Don't Stop The Music"でサンプリングして改めて脚光を浴びた。ルイス・ジョンソンの正確無比なベースを軸に、ビル・ウォルファーらによるミニマルなシンセやソリッドなクラップ、キレのあるホーンが折り重なっていくアレンジと、打楽器のような歌声をメロディアスに響かせるマイケルの奔放っぷりが魅力。マヌ・ディバンゴの"SoulMakossa"から借用したコーラス部分も際立って鮮烈なトラック。

■DISC1 2. Jam

全米26位獲得(from Dangerous)。アルバム3作の制作を共にしたクインシー・ジョーンズと袂を分かち、ニュー・ジャック・スウィングの創始者テディ・ライリーをパートナーに迎えて制作した1991年の『Dangerous』からの第4弾シングル。へヴィーDをfeatureし、ラッパーとの初共演曲となったこの曲のビデオクリップでは、マイケル・ジャクソンとマイケル・ジョーダン、2人のMJが夢の共演を果たしている。

■DISC1 3. They Don't Care About Us

全米30位獲得(from HIStory –Past, Present & Future Book1-)。偏見や差別に対する怒り、地球規模の環境保護や世界平和、博愛を訴えた、過去最大級にマイケルのメッセージが詰まった『HIStory』からの第3弾シングル。クイーンの「We Will Rock You」を思わせるリズムがエスニックな要素と融合し、唯一無二のマイケル・サウンドになっている。ビデオ・クリップはスパイク・リーが監督を担当、オール・ブラジルロケを敢行した、色彩豊かな作品となった。「最後のリハーサル映像」として公開されたパフォーマンスでマイケルが歌っていたのはこの曲。


■DISC1 4. Human Nature

全米7位獲得(from Thriller)。優しくも儚い歌声とメランコリックなシンセが夢のようなループを続ける、MJ史上最も美しい楽曲のひとつ。『スリラー』からの第5弾シングルで、TOTOのスティーヴ・ポーカロと、マドンナの「Crazy For You」やホイットニーの「One Moment In Time」などで知られるジョン・ベティスの共作。カヴァーやサンプリングの使用頻度も極めて高く、後にマイルス・デイビスもカヴァーをレコーディングしている。


■DISC1 5. Smooth Criminal

全米7位獲得(from BAD)。アルバム『BAD』からの7枚目のシングル・カットとなる曲で、ビデオ・クリップはマイケル・ジャクソンが原案・製作総指揮・出演を務めた映画『ムーン・ウォーカー』からのショートフィルム。敬愛するフレッド・アステアのごとく、白いハットに白いスーツをまとったマイケルが、ダンスでギャング達をなぎ倒していく映像は胸のすくかっこよさ。なお、マイケルは、このショートフィルムにおいて45度傾く「ゼロ・グラヴィティ」に関して特許を取得している。


■DISC1 6. The Way You Make Me Feel

全米1位獲得(from BAD)。アルバム『BAD』からのサード・カットで、1st、2ndシングルに続いて全米NO.1を獲得。ビデオ・クリップは、マイケルが路上でセクシーな女性をダンスで口説くという、いままでにないコンセプトと、BAD以上にストリート感を打ち出した描写、終盤のシルエット・ダンスシーンなどが話題を呼んだ。監督は『スペース・ジャム』などの作品で知られるジョー・ピトカ。

■DISC1 7. Shake Your Body (Down To The Ground)。

全米7位獲得(from Destiny)。フィラデルフィア・サウンドを踏まえつつ、自らの手による初のプロデュース、作・編曲という挑戦が見事に成功したジャクソンズ3枚目のアルバム、『Destiny』からのセカンド・シングルとしてリリースされ、大ヒットを記録。タイトでブ厚いリズム・セクションとパワフルなヴォーカルは、ポップ・バンドから大人のアーティストとしての脱皮に成功し、揺ぎ無きオリジナリティを築き上げたことを証明した。


■DISC1 8. I Just Can't Stop Loving You

全米1位獲得(from BAD)。アルバム「バッド」からの第1弾シングルで、サイーダ・ギャレットとのデュエット。マイケルは、バーブラ・ストライサンドやホイットニー・ヒューストンとのデュエットも想定していたが、両者とも折り合いが付かず、サイーダが選ばれた。彼女は最初、自身がマイケルに提供した楽曲『マン・イン・ザ・ミラー』のバック・コーラス録りのためにレコーディングに呼ばれたと思っており、自分がデュエット・パートナーに選ばれたと知った時は驚いたという。『バッド』収録曲のベース・パートは、大部分はシンセサイザーによるものだが、この曲ではネイザン・イーストがベースを弾いている。

■DISC1 9. Thriller

全米4位獲得(from Thriller)。PVに使われる予算は当時1000万円程度だったのに対し、この楽曲のPVは2億円をかけて作られた。ジョン・ランディス監督(『ブルース・ブラザーズ』他)による14分にも及ぶホラー映画風のショートフィルムであり、マイケル本人がスターリング、特殊メイクによるマイケルの狼男やゾンビとの群舞が話題となった。彼の演技、ダンスがともに高く評価された。当時MTVは連日オンエアされ、黒人ミュージシャンの映像を流そうとしなかったMTVの暗黙の方針を打開したミュージック・シーンにおけるエポック・メイキング的作品。元々は「STARLIGHT」というタイトルだったという話しは熱心なファンの間ではつとに有名。

■DISC1 10. Beat It

全米3週1位獲得(from Thriller)。エディ・ヴァン・ヘイレンがギターで参加。最初にクインシー本人がエディに直接依頼の電話をいれたところ、イタズラ電話だと思ったエディに「うるせえ!失せやがれ!」と怒鳴られ、電話を切られてしまったそう。クインシー・ジョーンズが「アルバムにはナックの「My Sharona」のようなパワフルなロックンロール曲が必要だ」とマイケルに告げたところ、彼が仕上げてきた曲だそう。実際に本物のストリート・ギャングも加わったダンサーが群舞するショート・ビデオは、現存するありとあらゆるPVの先駆けとなったと同時に、群舞するダンサーのセンターで歌い踊る、というスタイルは現在のポップ・エンタテインメントにおけるパフォーマンス形態の先駆けともなった。

■DISC1 11. Black Or White

全米7週1位獲得(from Dangerous)。全米7週1位をはじめ世界15ヵ国で1位を獲得。実に5億人以上が観たというビデオ・クリップは、映画『ターミネーター2』で広く世に知られることになったモーフィングというCG技術をいち早く採用。様々な人種の人々顔が滑らかに変化していく映像で世界中の度肝を抜いた。ビデオの監督は、「スリラー」と同じジョン・ランディス。

■DISC1 12. Earth Song

全英6週1位獲得(from HIStory )。ビデオ・クリップにおいて、いかに地球が人間によって破壊されつつあるかを概説し、環境破壊、貧困問題について切実に訴えた楽曲で、密猟者、ボスニアの90年代の紛争、破壊された熱帯雨林(最後に写る森は撮影後破壊された森である)など、様々な題材を扱い話題を呼んだ。アメリカでのチャートアクションは今ひとつだったものの、環境問題への意識の高いヨーロッパで爆発的な大ヒットを納め、イギリスで6週連続の1位となり、ヨーロッパ各国で1位となった。10年後の2006 FIFAワールドカップ公式アルバムにも収録された。

■DISC1 13. Billie Jean

全米7週1位獲得(from Thriller)。全米7週連続1位を記録した、83年を象徴する大ヒット曲。ストーカーに遭遇した実体験を草案にしたともいわれている。ビデオ・クリップは、追いかけてくるパパラッチをマイケルが軽やかなステップで翻弄していく内容で、当時のミュージック・ビデオの潮流を大きく変えてしまうほどのクオリティを誇り、MTV文化の隆盛に大きく貢献した(監督はa-haの「テイク・オン・ミー」などで知られるスティーヴ・バロン)。イアン・ブラウンやシャインヘッドらがカヴァーしたほか、ブラック・ストリートがNo Diggityとのブレンドカヴァー(96年)を披露している。この曲のMOTOWN25周年記念イベントでのパフォーマンスで初めてムーンウォークを披露した。


■DISC1 14. Man In The Mirror

全米2週1位獲得(from BAD)。ショートフィルムにはマーティン・ルーサー・キング・ジュニアやマハト・ガンジーの映像が流れる(マイケル本人は登場しない)。世界を変えようと思うならまず鏡の中の男(自分自身)が変わる事からはじめよう、というメッセージ性の強い曲。鏡といえば、スリラーを越えるアルバムをめざすためマイケルは、BADリリース時洗面所の鏡に1億枚と書いた紙を張りプレッシャーを自分に与えていたという。


■DISC1 15&16. This Is It (New Song)

マイケルが死の直前まで全精力を注いでいた幻のロンドン公演「THIS IS IT」のリハーサル映像を中心にした映画『THIS IS IT』と同名タイトルの楽曲で、本サウンドトラックで初めて収録された過去未発表のニュー・ソング。アルバム『オフ・ザ・ウォール』制作時代のアウトテイクの中で、同名曲の存在が明らかにされていたこともあり、原曲はこれと同一のものか?


■DISC2 1. She's Out Of My Life (Demo)

全米10位獲得(from Off The Wall)。アルバム『オフ・ザ・ウォール』からの4枚目のシングル・カット。この曲はギター・ベース・電子ピアノと弦楽合奏だけで編成され、『オフ・ザ・ウォール』のアルバムに収められた全10曲の中でも小編成の人数で演奏される。ドラムスやシンセサイザー、金管楽器などは使用されていない。当時のレコーディングにあたっては、プロデューサーのクインシー・ジョーンズが最近語った談話によると、彼は、マイケルが(これまで歌ってきた曲の傾向から)この歌のような「大人びた恋愛感情の表現を知らないのではないか」と考え、これをマイケルに提供することにした。ジョーンズの話によれば「マイケルは何度テイク(1回分の録音)をとっても、毎回最後に泣いた。10回以上収録し直した末、涙声の歌をアルバムに保存することにした」という。


■DISC2 4. Planet Earth (Poem)

世界紛争や、偏見、差別、環境破壊のはびこる世界を憂い、常に世界平和や博愛主義を訴え続けてきたマイケルによる、「地球」というタイトルの朗読テイク。マイケルがこれまでに作品に込めてきたメッセージのコアとなる内容が、切々と語られる内容に。

2010手帳トレンド
2009年10月22日木曜日,21:58




2010年用の手帳が出そろってきた。大きさやデザインが多種多彩化する中、共通するのはスケジュール以外の余白部分が多い点。手帳にこだわりを持つ人も増え、同じ手帳のユーザー同士が交流を深めるケースも。今や手帳は時間管理の道具にとどまらず、生活を楽しくするアイテムにもなっている。

渋谷ロフト(東京都渋谷区)は約4千種類の手帳を展開。売れ筋は1000円台の手帳だ。横浜市の男性会社員(38)は「社内異動で仕事が変わったので愛用してきた手帳と違うタイプを買うつもり。1年使うので慎重に選びたい」と話す。

 同店では縦時間軸で細かい時間管理ができるタイプが好調で、中でもフリースペースの広いものが人気。1日分が大きめのボックスごとに並び、罫(けい)線は少なめで余白部分が大きいタイプが幅広い世代から支持されている。小山隆晴・仕入販売課長は「携帯電話やパソコンより、手帳の方が過去の記録を見返したりメモがすぐに書けたりするので需要が高い」と話す。

 半透明の付箋(ふせん)やBMI(体格指数)の簡易計測器などカスタムグッズも充実し、自分流にアレンジする楽しみもありそうだ。


 銀座・伊東屋(中央区)でも書き込みができるタイプを強化。今月、A5判のオリジナル手帳「クロスカバーダイアリー」を発売。8~21時の目盛りの隣に大きなメモ欄を設けた。家族や上司など複数の人の予定を併記できる手帳も好調だという。

 販売戦略本部の市原美子マネジャーは「メールやブログが定着したうえ、今年は東大生のノートなどノートの活用法が注目された。書くことの面白さが注目されているのでは」と推測する


ユーザー同士の交流が盛んなのは、経済学者の野口悠紀雄氏監修の「超整理手帳」(講談社)。8週間見開きのジャバラ式スケジュールシートという独自のスタイルのため、ユーザー同士がネットで手帳の使い方を情報交換し始め、6年前からは最低でも年1回、全国各地でオフ会を開催。幅広い職種や年齢のユーザーが手帳の使い方をお互いに披露している。

 超整理手帳のユーザーで九州国際大学(北九州市)の山本啓一教授(当時)は2年前、地域活性化をテーマにした授業で学生や商店街の人にこの手帳を配布。数カ月のプロジェクト期間中、みんなが同じ手帳を使うことで連帯感が生まれたという。講談社第四編集局の大川朋子さんは「手帳は使い方次第で生活がより楽しくなるツール。たかが手帳、されど手帳です」と話す。


ステーショナリーフリーマガジン「BUN2(ブンツウ」の千葉勇編集次長によると、国内に出回る手帳は約1億冊とされ、選ぶのに迷ってしまいそう。千葉さんは「気に入らなかったら思い切って買い替えること。試行錯誤しながら自分に合ったものを見つけることも手帳の醍醐(だいご)味」とアドバイスする。


「能率手帳」を発売する日本能率協会マネジメントセンター(東京都港区)は8月、20~50代の働く男女計416人を対象に手帳の使い方に関する調査を行った。

 それによると、スケジュール管理で使うものはノート型とじ手帳が最多で30・3%。次いで、携帯電話のスケジュール機能(19・0%)、カレンダー(16・3%)、システム手帳(13・5%)│の順だった。「新しい手帳を入手して初めてすること」は、43・6%が「誕生日など記念日の記入」と回答(複数回答)。男女別では女性が74・6%に対し、男性は25・4%だった。



仕事とプライベートに役立つ
「手帳300%活用術」10月26日発売


ビジネス手帳「能率手帳」を発行する日本能率協会マネジメントセンターは、手帳の選び方や使い方を分かりやすく紹介する「手帳300%活用術」を10月26日に発売する。定価は1050円(税込み)。

 同書では、ワタミ代表取締役会長の渡邉美樹氏、字幕翻訳者の戸田奈津子氏、漫画家の弘兼憲史氏など、11人の著名人によるコラム「私の手帳活用法」をはじめ、ビジネスやプライベートに使える具体的な117のワザを紹介する。

 仕事での時間管理や目標管理、日々の生活での健康管理やマネー管理、自己分析の方法など、楽しく役立つ情報を盛り込んだ。また、自分に合った手帳を選ぶための「手帳診断チャート」、手帳の歴史が分かる「手帳歴史年表」、手帳ユーザーを対象にした調査結果なども掲載する。

40th ANV. 3CD+DVD
2009年10月5日月曜日,18:44



ライヴ・アルバム『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!(Get Yer Ya-Ya's Out!)』がデラックス・エディション(写真)として再登場します。
 
 本ライヴ盤には、1969年の全米ツアーよりマディソン・スクウェア・ガーデンでの公演(11月27日、28日)を収録。同ツアーはミック・テイラーが初めて参加した新生ストーンズによるステージングで、B・B・キングやアイク&ティナ・ターナーがサポートを務めています。
 
 今回、ライヴ開催から40周年を迎えたことを記念し、40周年記念デラックス・エディションとして再発。40周年記念盤はCD3枚+DVDで、CDは最新デジタル・リマスタリングを施したオリジナル・ディスク、ストーンズの未発表ライヴ・パフォーマンスを収めたディスク、B・B・キングらサポート・アーティストによるライヴ・パフォーマンスを収めたディスクの3枚です。
 
 またDVDには『ギミー・シェルター』を制作したメイスルズ兄弟撮影による演奏シーン(5曲)やバックステージの模様などが収められる予定です。なお、ボックスには12インチ・サイズのブックレット(56ページ)や、1969年のツアー・ポスターを模したポストカードも付属されます
 
 発売は米国盤が11月3日に、日本盤(UICY-1455 税込6,800円/SHM-CD仕様、英初回盤LPを再現した紙ジャケット付、DVDは日本語字幕付)が11月25日に予定。米国ではスーパー・デラックス・エディション(写真下)も予定されており、3枚のLP(うち1枚はアルバムのジャット・アートワークが刻み込まれた特製LP)ほかが追加されます。

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