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「ほぼ日手帳 2009」新デザイン発表会
2009年1月15日木曜日,13:26



アップルストア 銀座(中央区銀座3)で8月19日、「ほぼ日手帳 2009」新デザイン発表会が開催され、糸井重里さんとアートディレクター・佐藤卓さんによる対談「リズムを整えるという仕事」が行なわれた。

 「すきやきでもやろうぜ~感覚」(糸井さん)で考案したという「ほぼ日手帳」は2002年、糸井さんが主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で誕生。

「生活を楽しむ道具」を目指し、ユーザーからの声をもとに毎年改良を重ね、現在では「25万人が使う手帳」にまで成長。

同サイト内と全国のロフトで販売を行なっている。 糸井さんが、佐藤さんに手帳の見直しを持ちかけたのは昨年末のこと。「客観的にこの手帳を見た時、卓さんがどう思うか知りたかった」という糸井さんの意図に対し、佐藤さんは「既にあるものを外部のデザイナーに見せるという行為がすごいと思った。

デザイナーとして試されているとも思った」と当時を振り返り、「怖いけどやってみたい」と引き受けた時の心境を明かした。

「リニューアルというのは必ず『前の方が良かった』」と言う糸井さんに対し、佐藤さんは「基本的に愛しているものは触らないでほしいと思う。

ほぼ日手帳の愛用者たちは(2009年度版手帳を)素晴らしいとは言わないだろうから、せめて許して欲しい」と新デザイン発表に、極めて慎重な姿勢を見せた。 

今回改良した点は、1日1ページ書き込むことができる「デイリーページ」の方眼サイズを4ミリから3.45ミリに変更した点や、方眼の交差点や端の処理を「クロス」にした点、時間軸の数字部分から罫線を取り数字を見やすくした点など。

「マンスリーページ」では、日付回りの方眼を取り文字を読みやすくした点や、日付位置の右下から左上への変更、土曜・日曜の色の区別など。「手帳というプラットホーム自体の個性を抑え、ノイズを省いた」(佐藤さん)ほか、全体的にフォントを細くし「知りたい情報」の「主張」を避けたという。 

「アンケートをとるといつも半々に別れて困っていた」という糸井さんの長年の懸案は、「マンスリーページ」カレンダーを月曜始まりにするか、日曜始まりにするかという点。

今回は「打開策」として、両方を用意しユーザーが選べるというオプションを付けた。「元広告屋の自分が媒体費を払うよりモノ自体をどうにかする方が先」(糸井さん)と改良を行ない、「広告費を払わない分」(同)このような選択肢を増やすことができたという。 

5つ星で評価することができる「お気に入りリスト」の星印では、「神経質な人のために」(佐藤さん)星の端をあらかじめ塗りつぶしユーザーが塗りやすくした点など、デザイナーとして目を光らせた変更点を佐藤さんが興奮気味に説明すると、場内からは笑いが起きた。

そのほか、手帳に個性を生む「カバー」では、外側のロゴデザインを、ポケットをめくると見える位置へ移動したことや、角のアール(角度)を丸くしたほか、革のラインアップに佐藤さんセレクトモデルが加わり合計28色となった。

一ユーザーの糸井さんはファブリックカバー「マキノ・モノトーンチェック」を購入予定だという。

最後に糸井さんは「今までは量とかエネルギーとかボリュームとかで商品を伝えてきた時代だったが、とっくに飽和している。

『どーだ、どーだ』と大声を出さずに長く付き合う『ごちそう』より『お総菜』。

正直にやりとりをした上で、自分がこの子(手帳)をどう育てていくかが大切」と話し、佐藤さんは「手帳に眠っているポテンシャルを引き出して迎え、与えるのではなく、丁寧に見てあげた。

自分が携わったものが皆さんにどう受け取ってもらえるか常に不安だが、それがデザインの本質」と最後まで慎重な姿勢を崩さなかった。


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